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2014年11月18日火曜日

引得黄鶯下柳條



こんにちは。
携帯電話を解約してしまい写真のアップができずにお送りします。
お風呂から上がるときの最後の水シャワー、
鼻からスイカが出るくらい・・・じゃなかった、これは出産でしたね、
口から心臓が飛び出そうなほど水が冷たくなってきました。
冬に日本から出て過ごす、という世の中をなめ切った生活も3年目、
すっかり寒さに弱くなってしまっているのか、鼻水とクシャミが止まりません。
花粉なのか、PM2.5というやつなのか、風邪なのか、謎。
水シャワーのせいかもしれないけれど、やめたくない爽快感。

寒い日々、いかがお過ごしでしょう。
寒くて朝の散歩はやめました。 あっさり。

この寒い季節になると、シヴァナンダヨガの良さが
心身の芯に、さらにはもっと深いところに染み渡るように感じています。
寒くて真っ黒い夜空の下を、恵比寿のヨガスタジオから自転車の帰り道、
身体の表面が冷えてきても、
あたたかさと幸福感が包み続けてくれた、あのぬくもりを思い出します。


先週、日本での今季の定期クラスを終えました。
どうもありがとうございました。
幸い来てくださる方がいらっしゃるから、我々の仕事というものが成り立つわけで。
それを忘れて「先生」と呼ばれる類の職業の人たちには、
年を重ねたり、経験を積むと傲慢になる、という落とし穴が存在する。
学生時代には、学校でも習い事でも、あまり良い先生に恵まれず
尊敬できる恩師みたいな人が残念ながらいないのは、
子供心にもこの傲慢さを感じたからだろうなぁと思います。

やっていることがヨガなのと、
ラッキーなことに、ヨガを教えてくれた先生方は、
謙虚さや知足というものを持ち合わせている素晴らしい方々だったので、
リピーターが多いとか、良いクラスだったとか、褒めていただいても、
嬉しい、というより、いつも自分が未熟だと思えるし、(卑下しているわけでない)
全く有り難いことだというのが心から自然と湧いてきます。
だって私はぜんぜん良い人ではないし、素晴らしい人間とは程遠いし、
それで良いと自分のこと好きで肯定しているから 笑

私が自然でいて出来ること、正直な気持ちで他人と関わりながら、
意外とお金の発生するビジネスの世界ではこれは難しかったりする。
こないだ、お買いものしたときに、
明らかにウソ笑顔、明らかに言いたくない「ありがとうございました」
を言われて、
嫌な気分になったのでなく、昔の自分を見ているようで同情。
単に得ようとしているものの種類が違うから、それに伴うエネルギーの質が異なる、
ただそれだけのことなのでしょうけれど、
それでも、世界からそういう、押し殺すとか我慢するとかいう類のエネルギーが
減ったらいいな、と願います。


携帯電話を解約したおかげで、読書にのめりこみました。
便利さと自由さというものは、反比例しているように思います。

吉本ばななさんの作品、やっぱり好きです。
フィクションの中にたくさん散りばめられたリアリティ。
人間の本性(特に女性の、かな。女性作家さんだから)と宇宙の真理が、
ばななさんの独特の美しい言葉使いでもって、登場人物や場所を介して
表現されている。

散りばめられているので、
抜粋したいとこがあり過ぎるため、今日も「禅語」より良い言葉を抜粋します。




引得黄鶯下柳條

絵に描かれた花の美しさに惹かれて、鶯が柳の枝から下りてくる。

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 あるものの似姿を写しとりたい、という願望が、人間の心にはある。
物心つくかつかないかのころから、誰が教えたわけでもないのに壁や地面に
落書きをはじめる。
よく似た似顔絵を見ると感動し、芸人のモノマネが本物に似ていると言っては喜ぶ。

 仏教の寺院や仏像、さまざまな儀式などもまた、仏法という目に見えないものを
かたちに写しとったものなのかもしれない。
でもそれはあくまで「似姿」であって、人の心を動かす手段とはなっても、
その実体はべつのところにある。
実体があってはじめて、似姿が人の心を底のほうから揺さぶる。

 造花と、生花の違いは決定的だ。
でも、その決定的なはずの違いが、忘れ去られてしまうことがある。
化粧をした顔のほうが美しく見えるのは、どういうことなのだろう。
詐欺まがいの商売に騙されてしまうのはどうしてなのだろう。

偽物はこの世界の至るところに待ち構えていて、私たちの心に風穴を開ける。
偽物は私たちに塩水をどんどん飲ませる。
偽物は私たちに「満たされている」と思い込ませて、本当の満足を盗み出してしまうのだ。


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世界の本当について知っておきながら、
世界の中で遊ぶように人生を謳歌したいものです。
自分自身の感性を大切に信じてください。



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