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2015年8月4日火曜日

過去と未来の幸せ


日の出前、まだ月が明るく照らすうちに
海へ連れていってもらいSUPして、とちゅう泳ぎ、漂い、
波のままにすべてをゆだねる。

海の生き物たちも眠る時間の水は輝きはないけど透明で、
静かで、冷たいのだけれど優しく、なぜか安心感をくれる。
海月とか、なにか海の虫とか気にせずにひたることができる。

ボードに乗って朝日が昇り始めるのを待っていると、
空が白み始め、反対の空の月も白く薄くなり始める。
海は金色の世界に包まれる。
どこからが海で空なのか見紛うほどに、島で見上げる空と海は無限で、
境界が曖昧。
黄金の太陽光線は昼間とは全く違ってあつくなくて、色のない光で世界を染めゆく。
光の世界に私も飲み込まれて消えてゆく。
きっとこれが所謂、「真実」と呼ばれるものの実写なんだろうなぁ、なんて思う。

この世はどこで、あの世もどこか、
私が立っているここは一体どこなのか、神の時間へ迷い込んだような
不思議な時間帯。
一瞬の時間帯。

それが終わると、
海は珊瑚色のピンクに染まり相変わらずキラキラと輝く。
鳥たちも起きる時間なのか、ざわざわと木々を揺らし、
朝が来て、生があるのを喜ぶようにそれぞれの声をあげる。
こんどは少しずつ夏のお日様の予感を感じる時間。

海から上がる頃には、
海も空もすっかり昼間と同じような表情で
肌を焦がすようにジリジリと私たちを照らす。

泳ぎ足りなくて近所の海が満ちているのを見つけて、
足の裏に当たる珊瑚たちを痛がりつつ、ずんずんと遠浅の海を沖へ向かって
進み、つかったり浮いたりゆだねたりして遊ぶ。

風の音を聞く、海の中の音を聞く、
空と雲の動く、音なき音に耳を傾ける。

去年はプールでがんがん泳いで、それでも十分、水の癒しを感じていたけれど、
海の中の音は、
プールと違い、とても静かなことを知った。
自分の呼吸の音しか聞こえないのだ。

子供の頃は毎年、海に出かけていた。
そこは、いわゆる海水浴場で、人で賑わい、こんな風に、
海の中の音を聞いたり、風を感じたり、雲の流れるのを波に揺られながら見上げたり、
大きく見える夏の星座たちを、真っ暗な海の上で見上げたことはなかった。

ここでの生活は、
どうやら私にとって、実はとても新鮮で、
子供の頃に初めて出会ったものに感じたワクワクと同じ感覚らしい。
ワクワク、ワクワク、まさしく大人の夏休み。
こんなところに仕事で来れて、Lucky me!!
心の中で叫ぶ。


このところ見ていたドラマがガンの末期の人がヒロインの話で、
フィクションなのだけど、泣きました。。
前頭葉が腫瘍で圧迫されて、少しずつ足が麻痺したり、
目が見えなくなったりして、家族も悲しくてせつなかった。

やりたいことや行きたい場所があるなら、
身体が自由に動く恵まれた環境の今、やろう、行こう、となおさら思った。


海と一通り遊んだあとは、
シャワーを浴び、部屋の掃除をしてお香を焚き部屋を清め、
植物にお水をあげて、敷地内でもいできたグァバでスムージーを作って
洗濯機のごうごうと回る音を遠くに聞きながら、腰を下ろす。

海の中と同様に、この瞬間もまた、
私が幸せだな~とじんわり味わう時間。

人生を、こういう瞬間瞬間で満たしていきたいと思う。
今この瞬間の幸せの積み重ねで、過去はもちろん、きっと未来も作られるのだなぁと
しみじみとスムージーのおいしさに幸せを噛み締めた、
ある一日の朝。


元気だとうれしい、元気がなくても別にいい、
と友人がポロリと言ってくれた言葉が忘れられない。

まったく同じことを思っていたから、
そう言ってくれる友人を持てたことが嬉しかった。

元気があってもなくてもどっちでもいい。どっちも良い。
Lucky me!!
幸せでいてください。



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